今まではモータースポーツ用車両は一般購入できなかった
現在DTMに参戦している「M4 GT3」などのレース専用マシンは「BMW Motorsport」という組織が開発しています。このBMW MotorsportはMモデルを開発・販売する「BMW M社」とは別の組織。モータースポーツ用の車両を開発するのが専門で「販売部門」は持っていません。そのためBMW Motorsportが開発したレース専用マシンは一般には購入できなかったのです。しかし今回、レースの門戸を一般の方にも開き、レース活動の裾野を拡げていくためBMW MotorsportとBMW M社がタッグを組み、一般でも購入できるレーシングマシンを開発しました。それが「M2CSレーシング」です。
M2CSレーシングが購入できる唯一のディーラーが誕生
ただ一般の方にM2CSレーシングを販売するのには問題がありました。それはこれまで市販されていた通常のBMW車とはあまりにも違い(例えばM2CSレーシングはナンバーを取得できないため公道を走行することはできません)、販売、そして特にサービスについてこれまでとは全く別のスキルが要求されたからです。そこでインポーターであるBMWジャパンは世界基準の要件を満たす『BMW Mモータースポーツ・ディーラー』を日本全国のBMW正規ディーラーから選抜することにしました。
その結果、日本で、そしてアジアで初めてのBMW Mモータースポーツ・ディーラーに「モトーレン東都」が選ばれたのです。
2021年現在、M2CSレーシングを購入し、サービスを受けられる唯一のディーラーはモトーレン東都ということになります。
モトーレン東都 Motorsport 【特設サイトはこちら】
BMW初の市販レーシングマシン、M2CSレーシングとはどのようなマシンなのでしょうか?
サーキット専用の「入門」モデル
M2CSレーシングはメーカーやインポーターではなく、一般のユーザーが車両を購入してレースに参戦する、いわゆる「カスタマーレーシング」向けのサーキット専用マシンです。市販モデルをベースに開発することにより価格を抑え、一般のユーザーにも購入しやすくした「入門」モデルといった位置づけになっています。
M2CSがベース
M2CSレーシングのベースとなっているのは日本でも限定60台が販売されたM2CSです。内装などは取り払われ、ロールゲージが組み込まれた車内は紛れもないレーシングマシン!軽量化を図りつつも、カーボンパーツをプラスチック製に置き換えるなどして「コスト削減」も同時におこなっているのが大きな特徴です。
参戦するレースに応じて最大出力を変更できる
エンジンもM2CSの3.0Lツインパワー・ターボエンジンをベースにしていますが、面白いのは参戦するレースのレギュレーションに応じて最大出力を変更できるようになっていること。
- ベース・バージョン・・・280ps~365ps
- 450psバージョン・・・280ps~450ps
という出力可変式で、USBメモリに入ったデータによってエンジンの制御プログラムを書き換えるようになっています。
ブレーキやダンパーもモータースポーツ用に強化
足回りや駆動系もモータースポーツ用に強化されており、ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパーを始め、専用に作られたドライブシャフトや個別の冷却システムを備えた機械式LSDを標準装備。またABSやDSCといったドライバーをアシストするシステムもレース用に調整されています。