ドイツ第3の都市
ミュンヘンはバイエルン州の州都であり、ベルリン、ハンブルグに続くドイツ第3の都市です。1972年にはベルリンオリンピックが開催されて都市化が一気に加速。BMWの本社ビルもこの頃に建造されました。
工業と知的財産保護の中心地
ミュンヘンは自動車を始め、エレクトロニクス、光学機器、精密機械といった工業の中心地です。そのためそれらに付随する知的財産保護の中心地でもあり、
- 欧州特許庁
- ドイツ特許商標庁
- 連邦特許裁判所
- ドイツ税関産業財産権センター
などの知財関連の機関があるほか、ヨーロッパにおける知的財産問題研究の中心機関となっているマックス・プランク研究協会の知的財産・競争・税法研究所があります。
実は芸術の都でもある
一方でミュンヘンは「芸術の都」でもあります。12世紀後半からバイエルン一帯を支配したヴィッテルスバッハ家は、14世紀前半にバイエルン公としてルートヴィヒ皇帝が即位したことから栄華を極め、ヨーロッパ中から名画・銘品を収集します。そしてそれらが一堂に会するアルテ・ピナコテークや19世紀~20世紀初めの作品が展示されているノイエ・ピナコテーク、科学技術関連の博物館としては世界一の規模を誇るドイツ博物館など、その数30以上ともいわれる美術館・博物館があるのです。
その外観からBMW 4シリンダーと呼ばれている
1999年に歴史的建造物として認定され、ミュンヘンのランドマークとなっているBMWの本社ビルは、4本の円柱が合体したような特徴のある形状をしており、その形がエンジンのシリンダー(気筒)に似ていることからBMW 4シリンダー(ドイツ語ではBMW-Vierzylinder)と呼ばれています。「え!BMWなのに6気筒じゃないの?」と思われるかもしれませんが、このビルが建造されたのはベルリンオリンピック直後の1973年。「ビックシックス」「シルキーシックス」の名を不動のものとした名車635CSiが発表されたのは1978年で、この頃は02ターボと呼ばれた2002全盛の時分ですから、まだ主流が4気筒エンジンだったというわけです。ちなみにこの「4気筒」、実は地上に立っているわけではなく、4気筒の中心にあるサポートタワーから「吊り下げられている」という驚きの構造になっています。シリンダーといえばセットとなるのが「シリンダーヘッド」。BMWの本社ビルにもちゃんとあります。本社ビルの麓に注目すると、シリンダーヘッドを模したひらべったい円筒の建物があるのですが、これがBMWミュージアムです。
BMWミュージアムは2輪コーナーと4輪コーナーに分かれ、BMW初の4輪モデル「Dixi 3/15PS」を始め、
- BMW507
- 1939年式のBMW328
- ビックシックスの始まり BMW30CSi
- 02 ターボ
- M1
- イセッタ
BMWの「過去と未来」を楽しむのがBMWミュージアムなら、BMWの「現在」を堪能できるのがBMWの聖地といわれる「BMW Welt(BMWワールドの意味)」です。巨大なショールームともいえるBMW Welt。BMWの最新モデルがずらりと勢揃いし、イメージとしてはBMWだけで開催されている「モーターショー」といった感じでしょうか。また館内にはBMWのグッズショップやカフェ、日本のフードコートのようなレストランもあり、家族で訪れても一日中BMWワールドを堪能することができます。
本社ビルの隣にはミュンヘン工場もあります。1日30人という非常に狭き門ですが、予約をすれば工場見学ツアーを楽しむこともできるので、本社を訪れる際はダメ元で予約してみてはいかがでしょうか。
オクトーバーフェストとは毎年10月の第1日曜日を最終日とする16日間で開催される世界最大のビールの祭典です。最近では日本を始め、様々な国や地域で開催される「オクトーバーフェスト」ですが、元をたどればこのミュンヘンが本家本元。会場は42ヘクタール(東京ドーム9個分)もの広さがある公園で行われ、ミュンヘン市内の6つの醸造所が運営する巨大なテント、大小の屋台、子ども向けには遊園地まで設営されます。アルコールが苦手という方でも本場の白ソーセージやプレッツェル、鶏の丸焼きといったグルメも充実。ビール好きならずとも一度は訪れたいお祭りです。
日本にいるとドイツ本国のBMW本社を意識することはあまりありませんが、現在・過去・未来のBMWを堪能することができ、工場見学ツアーまで楽しめるBMWの本社はユーザーならずとも一度は訪れたいミュンヘンのランドマークタワーです。
オクトーバーフェストを狙って、秋のミュンヘンを訪れてみてはいかがでしょうか。