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BMWユーザーのお話を伺っていると、「昔E46のM3に乗っててね」といった会話を耳にすることがあります。
そしてBMWラバーであれば、その会話を聞いただけで「あ、3代目のM3に乗っていたんだな」と理解できてしまうわけです。
この「E46」の部分、これを開発コード、モデルコードといいます。
ただどんな車でも開発コードで呼ばれるわけではありません。
名車と呼ばれ、人々の印象に残る車に対してだけ、愛情を込めて開発コードで呼ぶのです。
今回はそんな車好きに愛された、記憶に残るBMWの「開発コード」についてお伝えしてまいります。
そもそもなぜ「開発コード」が存在するのか?
ちなみに最新のM4クーペの開発コードは「G82」です。
なぜこのように一見しただけでは「新型M4クーペ」と分らない開発コードで呼ぶのでしょうか?
理由は新型車を開発しているということを外部に知られないためです。
発売前の開発車両は、外部に漏らすことのできない機密情報のかたまりといえます。
そのため「新型M4クーペ」という誰にでも分ってしまう呼び方ではなく、一見しただけでは分らない「G82」という開発コードを付け、社内ではそのコードネームで呼んでいるというわけなのです。
なぜユーザーやカーマニアも開発コードで呼ぶのか?
本来開発コードは車メーカー内だけで通じる呼称、いわゆる符牒(ふちょう)と呼ばれるものです。
寿司職人の方がご飯のことを「シャリ」といったり、お茶のことを「アガリ」といったりするのと同じです。
ではなぜメーカーの人間ではないユーザーやカーマニアまで開発コードで車のことを呼ぶのでしょうか?
通っぽくてマニア心をくすぐる
開発コードは本来車メーカーの内部でだけ通用する呼び名です。
そのため車を開発コードで呼ぶことで、「内部事情にくわしい情報通」を気取ることができます。
その辺りがカーマニアの心をくすぐるというわけです。
おおよその年代とモデル名が分る
開発コードは開発されたモデル1台1台に付けられているため、開発コードを聞けば「車種」と「おおよその製造年」が分ります。
例えば「E46」と言われれば、「2000年前後に販売されていた、あの形の3シリーズだな」と一発で分るわけです。
この辺りもユーザーやカーマニア同士の会話で使われやすい理由となっています。
開発コードのルール
BMWの開発コードには、アルファベットの「E」「F」「G」が使われています。
「E」はドイツ語で「開発」を意味する「Entwicklung」の頭文字といわれており、その後はアルファベット順に、F、Gと続きます(FはFuturumドイツ語で「未来」の意味という説もあり)。
その後の数字については、基本的に開発順に付けられているのですが、最近では下一桁がボディタイプを表しています。
例えば現行3シリーズでいいますと、
- F30・・・セダン
- F31・・・ツーリング
- F32・・・クーペ(4シリーズ)
- F33・・・カブリオレ(4シリーズ)
- F36・・・グランクーペ
と下一桁をみればボディタイプが分るというわけです。
あの名車の開発コードは?
それではBMWの歴史に輝く名車達の開発コードをご紹介いたします。
E12・・・初代5シリーズ
ノイエクラッセの後を引き継ぎ、アッパーミドルスポーツサルーンの礎となった初代5シリーズの開発コードは「E12」です。
E24・・・初代6シリーズ
「世界一美しいクーペ」と称された初代6シリーズの開発コードは「E24」でした。
E30・・・2代目3シリーズ
バブル期に日本でも大人気を博した2代目3シリーズの開発コードは「E30」。
初代M3のコードネームとしても有名です。
E36/7・・・Z3ロードスター
ライトウエイトオープンとして大ヒットしたZ3の開発コードは「E36/7」となっています。
これはベースとなったのが3代目3シリーズ(E36)であるというのがその理由です。
E53・・・初代X5シリーズ
現在では全世界で流行している高級SUVの先駆けとなった初代5シリーズの開発コードは「E53」です。
歴代~現行モデルの開発コード一覧
クリックすると、適合する開発コード一覧のPDFを見ることができます。
まとめ
開発コードを会話に取り入れたり、ナンバーに使用したりすると、グッとBMWマニア度が高まります。
今回の記事を参考にして、BMW通になってみてはいかがでしょうか。