BMWのディーゼルモデルに必要なアドブルー(AdBlue®)について

現在のBMWに搭載されている「クリーンディーゼル」は、環境性能や走行性能が優れたクリーンなエンジンとして、欧州や日本で高く評価されています。

ちなみに「2023-2024インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したBMW X1にもディーゼルモデルがラインナップされています。

このBMWの「クリーンディーゼル」には、排気ガスの浄化装置に「アドブルー」と呼ばれる液剤が使われています。

「アドブルー」は走行を重ねる毎に消耗していくため、定期的な補充が必要不可欠です。

そこで本記事は、「アドブルー」の役割や補充方法などについてご紹介していきます。ディーゼルモデルにご興味がある方は、ぜひ目を通してみてください。

 

BMWに搭載されているクリーンディーゼルについて

まずは現在のBMWに搭載されている「クリーンディーゼル」が、どのようなものなのか見ていきましょう。

「クリーンディーゼル」には独自の「2ステージ ターボ・システム」が採用されており、低回転域から高回転域までスムーズに回ります。

また、エンジンブロックは軽量のアルミ合金製で、運動性能や燃費性能にも大きく貢献しています。

ちなみに現行の下記ディーゼルモデルには「クリーンディーゼル」に「マイルドハイブリッドシステム」が組み込まれています。

  • Xシリーズ(X1、X5、X6、X7、Mモデル)
  • 5シリーズ(セダン/ツーリング)
  • 7シリーズ(セダン)

さらに「クリーンディーゼル」には、高度な排気ガス浄化システム「尿素SCRシステム」も搭載されています。

そしてこの「尿素SCRシステム」に欠かせないのが、今回解説する「アドブルー」となります。

 

アドブルーとは

ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)は、光化学スモッグや酸性雨の原因になるだけではなく、人体への悪影響もあります。

この窒素酸化物(NOx)を分解・浄化する「尿素SCRシステム」で使われている液剤が「アドブルー」です。

「アドブルー」は尿素32.5%、純水を67.5%の割合で混合された無色・無臭の液体で、「高品位尿素水」と呼ばれています。

ちなみに「アドブルー」という名前は、ドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標の名前がそのまま使われています。

尿素SCRシステムの構造・役割

「アドブルー」の役割を知るために、「尿素SCRシステム」の構造や役割も見ていきましょう。

「尿素SCRシステム」は、タンク内に注入している「アドブルー」を排気経路上に噴射する機構を備えています。

排気経路に噴射された「アドブルー」は高温の排気ガスに触れて気化し、尿素SCR触媒の中でアンモニアガスへと変化します。

そして触媒の内部でアンモニアガスが窒素酸化物(NOx)を無害な水(H2O)と窒素(N)に分解します。

このように、「アドブルー」は排気経路上に噴射するため、定期的に補充をしなければいけません。

 

BMWのアドブルーの補充頻度

モデルによってタンクの容量が異なりますが、BMWの「アドブルー」のタンク容量は、12L〜15L程度となっています。

「アドブルー」の消費量は1,000km走行して約1L程度。満タン状態からだと1万km以上走行が続けられる計算になります。

年間1万キロ以上走行するのであれば、年に1度補充する必要が出てきますが、走行距離が少なければ、車検や定期点検時に補充するだけで済むこともあります。

アドブルーが無くなると

「アドブルー」が無くなったからといって、急にエンジンが壊れたり動かなくなったりするわけではありません。

しかし、そのまま走行を続けると、センサーや「尿素SCRシステム」に不具合が生じる可能性があるため、エンジンが再始動できなくなるようにプログラムされています。

もしも「アドブルー」が無くなったら、すぐに予備の「アドブルー」を補充するか、最寄りのBMWディーラーや整備工場で対応してもらう必要があります。

基本的に「アドブルー」の残量は車両モニタリングしており、空の状態になる前にアラートを出してくれます。また、常に残りの航続距離も確認できるようになっています。

 

アドブルーの補充方法

BMWの場合、「アドブルー」の補充口は、エンジンルームもしくは燃料給油口の隣に設置されています。

※青色のキャップで「AdBlue®︎」と表記されており、燃料の給油口よりも一回り小さめです。

キャップを開けたら、直接ボトルの注ぎ口を差し込んで補充します。

「アドブルー」の残量は車内のモニターから確認ができ、残量ゲージが100%で「OK」と表示されていれば満タン状態です。

「アドブルー」のアラートは補充後一定時間走行すると自動的に消えるようになっています。アラートが消えない時はセンサーの故障が考えられるため、すぐにお近くのBMW正規ディーラーにご相談ください。

また、「アドブルー」の補充はBMWの正規ディーラーでも行えます。あらかじめ予約をしておけば、15分〜30分程度で補充作業が完了します。

 

アドブルー取り扱い時の注意点

「アドブルー」は比較的安全な液剤ですが、取り扱い時にいくつか注意点がございます。

体や他の部品に触れないようにする

「アドブルー」は基本的に無害ですが、尿素水溶液という刺激性のある薬品であるため、なるべく皮膚に触れないようにする必要があります。

もしも皮膚や目に付着したら、すぐに流水で洗い流すようにしましょう。

また、「アドブルー」は鉄や銅、アルミニウムを腐食させる特徴を持ちます。ご自身で補充される方は、周囲の部品に付着しないように十分注意しましょう。

給油口への入れ間違いに注意する

「アドブルー」の補給口はキャップが青いため見分けやすくはなっていますが、入れ間違えてしまう可能性はゼロではありません。

特に給油口の隣に「アドブルー」の補給口が設けられている車両だと、誤って燃料の給油口に入れてしまう危険があります。

そうなると「尿素SCRシステム」やエンジンに深刻なダメージを与えてしまうため、入れ間違いには十分注意するようにしましょう。

 

アドブルーの保管方法

「アドブルー」は、保管時にもいくつか注意点があります。

まず、「アドブルー」は「高品位尿素水」であるため、どんなにきちんと保管をしていても、外気温や時間の影響で劣化が進んでしまいます。

外気温と保管期間のおおよその目安は、以下のようになっています。

外気温 保管期限の目安
10℃以下 3年程度
25℃以下 2年程度
30℃以下 1年程度
35℃以下 6ヶ月程度

また、外気温が40℃以上で劣化のスピードがさらに早まり、-11℃以下で凍結・結晶化が進みます。さらに、雨水などの異物が混入すると性質自体が変化してしまい、本来の性能が発揮できなくなります。

そのため、ご自身で「アドブルー」を補充される方は、補充しきれる量を購入することをおすすめします。

もし「アドブルー」を保管する場合、容器をしっかり密閉してから、屋内のなるべく涼しいところに置くようにしましょう。

 

アドブルーの購入方法

「アドブルー」はカー用品店やガソリンスタンド、ネットで購入することもできます。

ただし、市販されているものは品質や性能に差があるため、できればBMWから販売されている純正品をお選びいただくことをおすすめします。

純正品であればBMWの車両に使うことを想定して作られているため、一定基準以上の性能、品質が保証されています。

もちろんBMWの正規ディーラーで補充する際は純正品の「アドブルー」が使われますし、単品でお求めいただくことも可能です。

 

Shonan/Toto BMWの各店舗でもアドブルーの補充が可能です

BMWのディーゼルモデルで使われる「アドブルー」についてご紹介いたしました。

「アドブルー」はクリーンディーゼルに搭載されている排気ガス浄化システム「尿素SCRシステム」で使われており、定期的に補充が必要です。

「アドブルー」補充の面を考えると、ディーゼルモデルはガソリンモデルに比べて手間がかかるように思うかもしれません。

しかし、BMWに搭載されている「アドブルー」のタンク容量はおよそ12L〜15Lと大きく、1度満タンにしてしまうと、12,000km〜15,000kmは走り続けられるようになっています。

補充の頻度は決して多くはありませんので、ディーゼルモデルであっても、ガソリンモデルとほとんど変わらないようにお乗りいただけます。

もちろんShonan/Toto BMWの各店舗でも「アドブルー」の補充が可能です。

※「アドブルー」補充のご相談はこちらから承っております。

https://www.totobmw.com/contact/

また、ディーゼルモデルにも安心してお乗りいただけるように、メンテナンス体制も整えております。

ディーゼルモデルについて気になることがございましたら、Shonan/Toto BMWまでお気軽にお問い合わせください。

ライター情報

BMW Column編集部

BMW Column編集部です。 このコラムでは、車にまつわる情報、BMWに関する面白くてタメになる知識を発信していきます。ぜひ更新を楽しみにしていてください♪