エンジンオイルのおすすめの選び方!車両や走りに合わせて車の性能を最大限に

エンジンのパフォーマンスを保つために必要不可欠なエンジンオイル。

潤滑油として金属の摩擦を防ぐのはもちろん、エンジン内部の洗浄や冷却、機密作用など様々な役割を担っています。

また、常に過酷な状況に晒されているエンジンオイルは消耗品であるため、定期的に交換をしなければいけません。

しかし、カー用品店やネットで調べてみると、様々なメーカーから多様な種類のエンジンオイルが販売されており、どれを選べば良いのかわからないと思うかもしれません。

そこでこの記事では、エンジンオイルの役割や種類、選び方、おすすめのエンジンオイルについてご紹介していきます。

 

エンジンオイルの役割

車の血液とも言われているエンジンオイルには、次のような役割があります。

  • 潤滑(エンジンの動きをなめらかにする)
  • 密封(ガスが漏れないようにする)
  • 冷却(ピストンなどの作動部を冷やす)
  • 洗浄(スラッジや鉄粉を洗い流す)
  • 防錆(エンジン内部の錆を防ぐ)
  • 応力分散(衝撃を受け止める)

最も代表的な役割は、エンジン内部の金属同士の擦れを防ぐ「潤滑」ではないでしょうか。

また、エンジン内部に液体であるエンジンオイルを巡らせることで、密閉や冷却、洗浄、防錆などの効果もあります。

さらにエンジンオイルは、シリンダー内部の爆発や、ピストンやクランクシャフトなどの高速運動で生じる衝撃を吸収する「応力分散」の役割もあります。

しかしエンジンオイルは使っていくうちに徐々に汚れたり酸化が進んだりして劣化するため、定期的に交換しなければいけません。

 

エンジンオイルの交換時期

一般的なエンジンオイルの交換時期は、1万5,000km、または1年毎と言われています。

ただし、この数値はあくまでガソリンエンジンの場合となります。

近年はターボ搭載車やディーゼル車などパワーユニットのバリエーションが増えてきており、エンジンオイルにかかる負担は異なります。

また、車の使用頻度や使い方によっても交換時期は変わります。

おおよその交換時期を以下の表にまとめましたのでご参考ください。

 

エンジンタイプ 交換時期 シビアコンディション
 ガソリン車 15,000km/1年毎 7,500km/6ヶ月毎
 ターボ付きガソリン車 5,000km/6ヶ月毎 2,500km/3ヶ月毎
 ディーゼル車
/ターボ付きディーゼル車
1万km・1年毎 6,000km・6ヶ月毎

 

ちなみにEV車はエンジン自体がありませんので、オイル交換は不要です。

ただし、BMW i3のようにレンジエクステンダー(補助エンジン)を搭載しているモデルはオイル交換が必要となります。

エンジンオイルの確認方法

一般的な国産車の場合、エンジンオイルはエンジンルーム内にある「オイルレベルゲージ」で確認ができます。

エンジンルーム内にあるオレンジや黄色のリングを引き、「オイルレベルゲージ」の先端にある印でオイルの量が測定できます。また、目視にてオイルの汚れ具合を確認することもできます。

現在のBMWの車両には「オイルレベルゲージ」がありませんが、インパネのモニターにエンジンオイルの残量を表示することができます。

これにより、エンジンルームを覗かなくてもリアルタイムでオイル量を正確に確認することができます。

 

エンジンオイルの種類

エンジンオイルは「ベースオイル」と「添加剤」によって構成されています。

ベースオイルは「基油」とも呼ばれているように、全体の約8割を占めるメインの部分。エンジンオイルの性能に直結します。

また、添加剤はベースオイルに加えられるもので、全体の約2割を占めています。

添加剤には「酸化防止剤」や「錆止め剤」などがあり、ベースオイルの性能を引き伸ばしたり、新たな性能を追加したりして全体のバランスを整える役割を持ちます。

エンジンオイルのメイン部分であるベースオイルは、以下の3種類に分けられます。

  • 鉱物油
  • 化学合成油(全合成油)
  • 半化学合成油(部分合成油)

鉱物油

鉱物油は石油を蒸留、精製して不純物を取り除いて作られるエンジンオイルです。

酸化性が高く劣化が早いためこまめに交換をしなければいけませんが、価格が安価でコストパフォーマンスに優れている一面を持ちます。

また、最近の鉱物油は精製技術の進歩が進み、高品質なものが生産されるようになったため、運転時間が少なく、街乗りをメインに走行される方であれば問題なくご利用いただけます。

化学合成油(全合成油)

石油を蒸留した上で分子構造を化学的に変化させて作られるエンジンオイルです。

「全合成油」や「100%化学合成油」とも呼ばれています。

ベースオイルの中で最も高価ですが、その分耐熱性や耐摩耗性が高く信頼性は抜群。

スポーツカーやレーシングカーなど高性能な車に乗られる方や、少しでもエンジンを労わりたいと考えている方におすすめです。

ちなみにBMWの純正エンジンオイルは、全て化学合成油 がベースオイルとなります。

半化学合成油(部分合成油)

鉱物油に化学合成油を20%以上ブレンドしたオイルで、「部分合成油」とも呼ばれています。

酸化性や揮発性が高く、低温時のエンジンの始動性が悪い鉱物油のデメリットを化学合成油が補っているため、バランスが優れたエンジンオイルだと言えるでしょう。

また、価格も鉱物油と化学合成油の中間に位置するため、コストパフォーマンスも優れています。

毎日車に乗られる方や移動距離が多い方など、利用頻度が多い方におすすめです。

 

エンジンオイルの選び方

先ほどご紹介したエンジンオイルの種類以外にも、様々なグレードや粘度があります。

これらを踏まえて、エンジンオイルをどのように選べば良いのかをご紹介していきます。

「規格」でグレードを確認する

「規格」はエンジンオイルの品質を表すもので、主に次の3つがあります。

  • API規格
  • ILSAC規格
  • JASO規格

API規格

アメリカ石油協会が定めた規格で、省燃費性・耐熱性・耐摩耗などのエンジンオイルの基本的な性能を表しています。

API規格は基本的にアルファベット2文字で表示されており、先頭のアルファベットは以下のように表記されます。

  • ガソリン車・・・「S」
  • ディーゼル車・・・「C」

※ガソリン車、ディーゼル車両方に使えるエンジンオイルは「SL/CF」と表記されます。

また、「SA」「SB」「CA」「CB」のように、後ろのアルファベットは順番が進むほど高品質なエンジンオイルであることを意味します。

ILSAC規格

日米の自動車メーカー組織「国際潤滑油規格諮問委員会(ILSAC)」が定めた規格で、API規格に省燃費性能を加えて再度グレード分けされています。

表記方法は「GF」の後に数字が付けられており、その数字が大きくなるほど高品質なエンジンオイルとなります。

ちなみに現在は2020年に施工された「GF-6」が最新グレードとなります。

JASO規格

日本自動車技術会(JASO)が定めた規格です。

これまでJASO規格は二輪車用4サイクルエンジンオイルに使われていましたが、近年はクリーンディーゼルエンジンのオイルにも使われるようになりました。

表記方法は「DL(小型ディーゼル用)」「DH(大型ディーゼル用)」の後に数字が付けら れます。

「適正粘度」でエンジンに合ったものを選ぶ

エンジンオイルは闇雲に高品質なものを選べば良いというわけではなく、エンジンの特性に合った粘度(オイルの硬さ)である必要があります。

例えば燃費性能が優れているエンジンには低粘度のオイルを入れ、高出力のエンジンには高粘度のオイルを入れることで、エンジンの特性を最大限に発揮することができます。

オイルの粘度は数字で表記されており、数字が小さければ粘度が低く(サラサラしている)、大きければ粘度が高く(ドロドロしている)なります。

また、オイルの粘度は温度によって変わるため、「0W-20」「10W-40」のように低温時と高温時の両パターンで表記されます。(低温時の表記には「W」が付けられます)

適正粘度はメーカーによって定められており、車載のサービスマニュアルに記載されていますので、交換前に確認しておくことをおすすめします。

使い切れる量を購入するのも忘れずに

エンジンオイルは空気や紫外線に触れると劣化が進むため、できるだけ使い切れる量を購入するようにしましょう。

もし交換時にエンジンオイルが残ってしまったら、程よく収まり切る容器に移し替えて冷暗所に保管するようにしましょう。6ヶ月〜1年間は品質を保つことができます。

 

BMWの純正エンジンオイルはロングライフ設計

現在市場では様々なエンジンオイルが販売されているため、どれを選べば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そんな時は、BMWから販売されている純正エンジンオイルをおすすめいたします。

BMWの純正エンジンオイルには100%化学合成油が使用されており、車両のパフォーマンスを最大限に引き出すように設計されています。

また、ロングライフ設計とされていますので、耐久性も優れています。

ただし、エンジンオイルの劣化具合は、お車の使用状況や走行距離により大きく変わるため、1万5,000kmもしくは1年毎に交換することを推奨いたします。

現在BMW純正エンジンオイルは、エコモデルからハイパフォーマンスモデルまで幅広く対応できるラインナップが揃っています。

 

種類 記号 / 粘度 特徴
 PREMIUM ・LL-22 FE++ / 0W-12

・LL-17 FE+ / 0W-20

・LL-19 FE / 0W-30

PROTECTIONとSELECTの両方の性能を備えた低燃費オイル
 PROTECTION ・LL-01 FE / 0W-30 低温時の保護性能が高く長寿命に貢献するオイル
 SELECT ・LL-01 / 5W-30

・LL-04 / 5W-30

優れた保護性能を持つバランスが優れたオイル
 BMW M PERFORMANCE ・10W-60 Mシリーズ用ハイパフォーマンスオイル

※記号の「LL=LongLife」はロングライフ設計、「FE=Fuel-Economy」はフューエルエコノミー(省燃費タイプ)、記号横の数字は制定年号(例 22=2022年)となります。

※BMW M PERFORMANCEはMシリーズ用に設計された高粘度オイルであるため、記号の表記はございません。

 

愛車と長く付き合うために、走りに合わせた最適なエンジンオイルを!

エンジンオイルの役割や種類、選び方、おすすめのエンジンオイルについてご紹介しました。

エンジンオイルは車の特性や使用頻度によって最適なものを選ぶ必要があります。

もし愛車に適したエンジンオイルがご不明な時は、オイルメーカーやカーディーラー、整備工場などへ問い合わせることをおすすめします。

もちろんShonan/Toto BMWでも、オイル交換やエンジンオイルについてのご相談を承っております。

お客様のお車と少しでも相性の良いエンジンオイルをお選びいただけるように、専門のスタッフがしっかりとご対応いたします。

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BMW Column編集部

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