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BMWでは数字で表すシリーズ名について、ベーシックなモデルは「奇数」、スペシャリティなモデルは「偶数」を車名に割り振るというルールがあります。
その偶数モデルの中で最も長い歴史を持つのがBMW6シリーズです。
今回は「世界一美しいクーペ」と称された6シリーズの特徴を、その歴史とともに紹介してまいります。
BMW 6シリーズの特徴
4シリーズが4ドアセダンである3シリーズをベースにしていることと同様に、6シリーズはBMWの中核モデルとなる5シリーズをベースに仕立てられたクーペモデルです。
クーペモデルらしいロングノーズ、ショートデッキの美しいボディデザインが特徴で、質実剛健な印象の強いBMWの中で、華やかな異彩を放っているモデルといえます。
2ドアクーペの他、カブリオレモデル、4ドアクーペモデルがあり、最近では5ドアハッチバックとなるグランツーリスモ(GT)モデルもラインナップされていました。
6シリーズはアッパーミドルサルーンである5シリーズをベースとしたフルサイズクーペであることから、往々にして1クラス上の8シリーズと自社内競合します。
そのため、初代6シリーズと2代目6シリーズの間は14年空白期間があるのですが、その間には初代8シリーズが存在し、3代目6シリーズが終売となった現在は2代目8シリーズが存在するというように、競合を避けるように交互に発売されているといった実態があるのです。
歴代のBMW 6シリーズ
3シリーズや5シリーズと同様、6シリーズもBMWの経営危機を救った中興の祖、ノイエ・クラッセから派生しています。
ノイエ・クラッセの中の2ドアクーペモデル、BMW2000C、2000CSに端を発し、その前身はビッグシックス・エンジンを搭載してグランツーリスモとしての地位を確立した名車「BMW 3.0CS」です。
初代BMW 6シリーズ(1977-1989年)E24型
初代6シリーズは1976年のジュネーブモーターショーで発表、翌1977年にデビューしました。
BMWの至宝、ビッグシックスエンジンを搭載したその動力性能もさることながら、「世界一美しいクーペ」として多くの人に絶賛されたそのデザインは、今なお高い人気を誇っています。
【初代635CSiのスペック】
モデル名 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
635CSi | 4,755 | 1,725 | 1,365 |
エンジンの種類 | 総排気量(cc) | 最高出力(hp/rpm) | 最大トルク(Nm/rpm) |
ガソリン | 3,430 | 185/5,400 | 290/4,000 |
2代目BMW 6シリーズ(2003-2011年)E63/E64型
初代6シリーズが1989年に生産終了となった後は、事実上の後継モデルとなった初代8シリーズがデビューします。
それから14年が経過した2003年、今度は初代8シリーズが生産終了となり、その後継車として6シリーズが復活します。
2代目となるE63型6シリーズです。
デザイナーは当時BMWのデザインを統括し大きな話題を集めていたクリス・バングル氏。
2004年にコンバーチブルモデル(E64型)が加わったのもトピックでした。
【2代目645Ciのスペック】
モデル名 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
645Ci | 4,830 | 1,855 | 1,375 |
エンジンの種類 | 総排気量(cc) | 最高出力(hp/rpm) | 最大トルク(Nm/rpm) |
ガソリン | 4,398 | 333/6,100 | 450/3,600 |
3代目BMW 6シリーズ(2011-2019)F12/F13/F06型
3代目となるF12型6シリーズは、カブリオレモデルであるF13型とともに2011年デビューします。
更に2012年にはF06型グランクーペを追加。これはBMW初の4ドアクーペモデルです。
2022年現在、6シリーズは日本には導入されておらず、8シリーズがその後継モデルとして販売されています。
【3代目650iのスペック】
モデル名 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
650i | 4,895 | 1,895 | 1,370 |
エンジンの種類 | 総排気量(cc) | 最高出力(hp/rpm) | 最大トルク(Nm/rpm) |
ガソリン | 4,394 | 450/5,500 | 650/2,000-4,500 |
【640iグランクーペのスペック】
モデル名 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
640iグランクーペ | 5,010 | 1,895 | 1,390 |
エンジンの種類 | 総排気量(cc) | 最高出力(hp/rpm) | 最大トルク(Nm/rpm) |
ガソリン | 2,979 | 320/5,800 | 450/1,300-4,500 |
【追加】BMW6シリーズグランツーリスモ(2017-2019)G32型
6シリーズグランツーリスモ(G32型)は5シリーズグランツーリスモの後継モデルとなる5ドアハッチバックモデルで、2017年にデビューしました。
シリーズ名は6シリーズとなっていますが、デザインは専用設計ではなく、G30型の5シリーズを5ドアハッチバックに変更したデザインとなっています。
【623dグランツーリスモのスペック】
モデル名 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
623dグランツーリスモ | 5,105 | 1,900 | 1,540 |
エンジンの種類 | 総排気量(cc) | 最高出力(hp/rpm) | 最大トルク(Nm/rpm) |
ディーゼル | 1,995 | 190/4,000 | 400/1,750-2,500 |
まとめ
BMW6シリーズは2022年現在日本導入されていませんが、「世界一美しいクーペ」として名高い初代から高い人気を誇っています。
中古車市場でも人気が高く、また趣味で乗られることが多いという理由で状態の良いものが多いのも嬉しいところです。
日常を非日常に変えてくれる華やかな6シリーズ。
興味のある方は中古車を探されてみてはいかがでしょうか。