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昨今のキャンプブームの影響もあり、キャンピングカーよりも手軽な車中宿泊方法として一般車での「車中泊」が人気となっています。
ミニバンやSUVといったマルチパーパスなクルマは元より、軽のワンボックスカーを改造して、ミニマムな車中泊を楽しんでいる方もいるほどで、その広がりは一過性のブームにとどまらないものがありそうです。
高級スポーティーセダンのイメージが強いせいか、「BMWで車中泊」というのはあまり聞いたことがありませんが、実際のところBMWのセダンで車中泊は可能なのでしょうか?
そこで今回はBMWのセダンで車中泊が可能か?という検証と、快適に車中泊をする方法や便利グッズなどをご紹介したいと思います。
トランクスルーを活用すればセダンでも車中泊ができる⁉
結論から申し上げますと、BMWのセダンでも「トランクスルー」機能を活用して後席のシートバックを倒せば、車中泊は十分「可能」です。
例えば現行の3シリーズセダン、G20型は後席のシートバックを4:2:4で倒すことができます。
するとフルフラットにはなりませんが、縦方向に180cm程度のスペースが生まれ、トランク方向に足を入れることで大人2人がなんとか横になることが可能なのです。
後は寝心地を良くするためのマットレス(収納に場所を取らないエアマットレスがおすすめです)を敷けば、そこそこ快適な車中泊スペースが完成します。
ツーリングやXシリーズなら更に快適
ツーリングやXシリーズならラゲッジルーム部分の縦方向の空間が確保できるため、居住性は更にアップ。
リビング&ベッドルームといった感じで使用することも可能です。
車中泊するときの注意ポイント
クルマを停めて気軽に眠ることができる車中泊ですが、実際に行うにはいくつかの注意点があります。
エンジンはかならず止める
まずエンジンは必ず止めるようにしてください。
エアコンの使用するためにエンジンをかけっぱなしにしたいところですが、エンジンを掛けたままだと排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
特に積雪の可能性がある冬季は、マフラーが雪でふさがれて排気ガスが逆流しやすいため、エンジンのかけっぱなしは厳禁です。
アイドリングストップの観点からも、エンジンは必ず止めるようにしましょう。
エコノミー症候群に注意
狭い車内で長時間同じ姿勢でいると、いわゆる「エコノミー症候群」になってしまう可能性があります。
予防法としては、
- ストレッチをしたり、こまめに姿勢を変えたりする
- 程度な水分補給を行う
- 窓を少し開けておき、換気状態にしておく。また定期的に深呼吸をする
といった対策が有効です。
防犯対策も重要
睡眠中は無防備になりますから、ロックをきちんと掛けるなど、防犯対策はしっかりとすることが重要です。
また外部から覗かれることを防ぐため、サンシェードや車中用カーテンを使用することをおすすめします。
車中泊する「場所選び」が快適さの鍵
トイレや売店、レストラン、中には温泉施設まで併設されていることのあるSAや道の駅は、快適に車中泊をするためにチェックしておきたいスポットです。
ただSAや道の駅の中には車中泊を禁止している施設も多く、予め車中泊が可能かどうか調べておく必要があります。
そこでおすすめしたいのが「オートキャンプ場」と「RVパーク」です。
オートキャンプ場とは?
オートキャンプ場とは、テントを設営できる場所までクルマで乗り入れることが可能なキャンプ場です。
テントを設営するだけではなく、キャンピングカーでの利用も想定されているため、車中泊にはピッタリのスポットといえます。
RVパークとは?
RVパークとは、日本RV協会が『快適に安心して車中泊が出来る場所』として設定した条件を満たした車中泊施設です。
全国各地の道の駅や温泉・旅館、遊園地などの施設に併設されており、
- 24時間利用可能なトイレがある
- 100V電源が使用可能
- 入浴施設が施設内又は15km圏内にある
- ゴミの処理が可能
- 一週間程度の滞在が可能
といった車中泊に最適な条件が整っています。
ただし車外での調理や発電機の使用などは禁止されているため、車外でバーベキューなどを楽しみたい場合はオートキャンプ場を選ぶと良いでしょう。
『くるま旅』
寒さを防ぐポイントは「窓」と「床」
冷気は「窓」と「床」から入ってくるため、この2箇所で防寒対策を行う必要があります。
窓については断熱シートを窓の形に切り取り、窓にはめ込むという方法があります。
断熱シートについてはホームセンターなどで手軽に購入できますし、目隠しにもなるのでおすすめです。
床についてはインフレーターマットというキャンプグッズが最適。
空気を入れてふくらませるマットで使わないときはコンパクトに収納できますし、寝心地もよく、空気の層が冷気を遮断してくれるので防寒対策にぴったりです。
冬の車中泊であると便利なグッズ
寝袋(シュラフ)は必須アイテム
車内に布団を持ち込む方もいるようですが、狭い車内で寝返りを打つことを考えると寝袋は必須アイテムといえます。
体を包み込むように密着してくれるため、防寒性が高いのがポイントです。
電気敷き毛布
他の防寒グッズで体を温めていても、床から冷気が入って底冷えすると寒くて眠れません。
そのため電気敷き毛布で床方面から温めてやることは非常に効果的で、インフレーターマットと組み合わせれば寒さ対策は万全です。
ガスヒーター
エンジンを切った車内ではエアコンが使用できません。
そこでおすすめなのがカセットボンベを使用するガスヒーターです。
一酸化炭素中毒に注意する必要がありますが、窓を少し開けて換気をし、車内が温まったら消すようにすれば問題ありません。
ヒーターを消した後のために湯たんぽやカイロを用意しておけば完璧です。
普段のBMWで非日常を味わう
もちろんホテルに宿泊すれば快適ですが、普段そこで寝ることを考えていなかったBMWで車中泊をすると、新鮮な非日常感を味わうことができます。
本格的なキャンプに比べかんたんな装備で楽しむことができるため、一度試されてみてはいかがでしょうか。