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2021年東京でオリンピックが開催され、スポーツシーンが盛り上がりを見せていますが、ピデオゲームを用いた対戦をスポーツ競技として捉える「eスポーツ」も多くのプレーヤーを惹き付け、活況を呈しています。
「シムレーシング」と呼ばれるドライビング・シミュレーターもその一つなのですが、そのリアリティはすさまじく、プロのレーシング・ドライバーが日常の訓練に使用するレベルにまで進化しているのです。
そこで今回は、M4 GT3やM2 CS レーシングといったBMWのレーシングカーでシミュレーション体験ができる「シムレーシング」について、くわしくご紹介してまいります。
「シムレーシング」とは?
「シムレーシング」とは、PCやゲーム機などで実際のレーシングカー、レースを精密にシミュレートしたバーチャル・カー・レーシングのことをいいます。
PCの他、PS4やXboxでもプレイが可能
シムレーシングはパソコンの他PS4、Xboxといったゲーム機上で動作するレーシング・シミュレーターと、ハンドルコントローラーやペダルといったハード機器から成り立っています。
レーシング・シミュレーターには以下のようなソフトがあります。
iRacing
プロのレーシング・ドライバーから「最高のトレーニング・ツール」と称されているのがWindows PC用のレーシング・シミュレーター「iRacing」です。
コース
レーシング・マシン
ドライビングの物理特性
レースのレギュレーション
といったファクターが極めてリアルに再現されており、他のレーシング・シミュレーターとは一線を画すレベルに達しています。
リファレンス・ポイントや路面のコンディションなど、あらゆる点をチェックできるこだわりようでプロをも唸らせるクオリティなのですが、それゆえ初心者には複雑すぎるのが難点です。
Assetto Corsa
iRacingと並んで人気が高いのが「Assetto Corsa」です。
PC版のみならず、PS4やXbox版も用意されているため、初心者にも導入しやすいといった利点があります。
またPC版のみで利用できるAssetto Corsa CompetizioneではGT3レーシング・クラスを対象としてコンピューターと対戦できるなど、やりこみ要素も十分です。
rFacrot 2
Windows PC用の「rFacrot 2」はゲーム開発元がBMWと提携しているため、プレーヤーは最新のM2 CS レーシングでバーチャル・コースを駆け巡ることができます。
またマシンセッティングのみならず、タイヤマネージメントまで忠実にシミュレートされており、
トレッドの消耗
タイヤの摩耗
タイヤ温度によるグリップの変化
なども完璧に再現されているこだわりようです。
RaceRoom
初心者におすすめなのが「RaceRoom」です。
なにしろベーシック版であれば「無料」。
他のレーシング・シミュレーターのような夜間走行、雨天走行といった機能はありませんが、課金をすればDTMやGT Mastersといったレーシング・シリーズを導入することも可能なため、初心者から中級者まで楽しむことが可能です。
<h3>Gran Turismo Sport & Forza Motorsport 7</h3>
PS4やXboxといったゲーム機で気軽に楽しみたいのであれば、Gran Turismo Sport (PS4版)や Forza Motorsport 7(Xbox版)がおすすめです。
どちらもiRacingなどよりドライビングの物理特性やマシンのセッティングが簡略化されているため、シムレーシングの入門編に適しています。
BMWのワークスドライバーたちも参戦
2020年にはBMWのワークスドライバーもシムレーシングイベントに参加しました。
「IMSA iRacing Proシリーズ」の第1ラウンドではブルーノ・スペングラー選手、ニック・キャッツバーグ選手、ジェシー・クローン選手が表彰台を独占。
ワークスドライバーは「シムレーシングでも速い」ことをまざまざと見せつけたのです。
「BMWシム・カップ」を拡大!「シム・アカデミー」で若手レーサー育成も
BMWモータースポーツは2021年からシムレーシングに更に注力し、
- チームレッドライン
- ウィリアムズ Eスポーツ
- G2 Eスポーツ
- BS+コンペティション
といった4つのトップ・シムレーシング・チームとパートナーシップを締結しました。
これらのチームはBMW製のバーチャルマシンを使用して、iRacingやrFacrot 2といったプラットフォーム上で行われる「シム・カップ」上で戦うことになります。
シム・カップ
iRacing上で行われているBMWシム・カップではこれまでのM8 GTEに加え、最新のM4 GT3も投入。
このマシンは実車と同時進行でiRacingが開発しているマシンです。
rFacrot 2上では「BMW シム M2 CS レーシングカップ」が行われており、こちらも最新のM2 CS レーシングでニュルブルクリンクなど世界中のサーキットを転戦します。
シム・アカデミー
若いシム・レーサーを育成する目的で「BMWモータースポーツ・シム・アカデミー」も設立されました。
参加する若手シム・レーサーはBMWモータースポーツからトレーニングの機会とモータースポーツに関する幅広い専門知識を学ぶ時間が与えられ、ワークスドライバーやパートナーとなったトップ・シムレーシング・チームのプロフェッショナル・レーサーからトレーニングを受けることもできます。
Toto BMWグループのショールームでデモプレイを実施
日本で唯一のBMW Mモータースポーツ・ディーラーに選ばれたToto BMWやそのグループディーラーのShonan BMWではショールームでシムレーシングのデモプレイを実施。(※常設ではなく、イベントとして開催)
ショールームに設置されたドライビング・シミュレーターではスーパー耐久などに参戦するBMW Team Studieのドライバー東風谷選手がレクチャーを行いBMWの一般ユーザーの方が富士スピードウェイの走行をバーチャル体験するイベントが開催され大好評となりました。
まとめ
プロのワークスドライバーも訓練に使用するシムレーシング。
本格的に費用をかけ、超ワイドディスプレイ、ハンドルコントローラーやペダル、シートといったシミュレーション・セットを構築することももちろんできますが、まずはPS4(またはPS5)とレーシング・シミュレーター・ソフトで気軽に体験してみてはいかがでしょうか。